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Arabian Nights 2004 イラクからの短信

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2004年 04月 13日

イラクからの短信 第17号

知らないうちに掲示板が充実。
短信よりおもしろいかも。
http://iraq3.exblog.jp/

今日は、ファルージャに向け食料や医薬品を送るモスクを取材。
ファルージャではレジスタンスと米軍の戦闘で、
子供を含む死亡者が八百人以上でている。
医薬品がなく電気がない病院の惨状がアルジャジーラで報じられていた。
市民から救援を集め、それを送っている。

バグダッド郊外にも避難民が来ている。
街のモスクから呼びかけが流されていたそうだ。
できる人は車で郊外に行って避難民をピックアップしてほしいと。
バグダッドからファルージャ方面の郊外は戦闘の危険がある地帯だが、
駆けつけて避難民を連れてくる人もいた。

米国で取材してて、ボランティア気質みたいなのに、感心したことがある。
日本でも、世界中どこでも、似たようなことはあると思う。
「普通の人」がやることとして、ね。

「普通の人」が何かを感じて行動するのは、出来事が遠すぎると難しかったりする。
仕方ないかもしれない。
だけど、出来事が遠かったり近かったり、
それは、ただ思い込まされているだけじゃないか。

あちこちで起きる様々な出来事がある。
誘拐事件もそれに入れてもいい。
いまのメディアがない時代なら、人々はそんな出来事があることさえ知らないだろう。
出来事の存在を知って、それを身近に感じるのは、現在のメディアがあるからだ。

だから、これから違うメディアが力を持ったら、
いまの遠い近いなんかも変わってしまうはず。
手前みそですが「対話プロジェクト」はそこんとことフカーク関係するんです。

ファルージャの人と日本の人、テレビ電話で対話するってのはどうでしょう?
参加した人には、イラクやら、日本人誘拐やら、違った次元で見えてくると思います。

4月12日23時31分(バグダッド時間)
渡辺裕一

# by sakai555 | 2004-04-13 15:50
2004年 04月 10日

イラクからの短信<29人に向けて> 第16号

日本は、誘拐で大騒ぎのようですね。
いちおう16日に帰る予定ではあるんですが、
陸路はヤバイし、空路は満席。
どうなるか情勢次第です。

何度も人に聞かれては言ってるのですが、
私は戦場を撮りに来たわけではないし、
戦場に行くつもりもないのです。
そして、バグダッドは、普通の人が生きている場所です。

ここで戦闘が起きてるのは確かです。
しかし、心してほしいのは、
ここに住む多くの普通の人のこと。
その人たちの生活のこと。
(「アラビアンないと2003」企画もそれを考えるものでした)
私はここから出ていけますが、彼らの多くはどこにも行けないです。

誘拐はイラク国内でもトップニュース。
宣伝効果も抜群。
日本人が今のここの状況に加担していると言うイラク人が、
これからもっと増えるでしょう。

4月9日22時01分(バグダッド時間)
渡辺裕一

# by sakai555 | 2004-04-10 17:45
2004年 04月 08日

イラクからの短信<28人に向けて> 第15号

4月6日、市内で戦闘や攻撃があった所数ヶ所を取材。
ムクタダ派の拠点サドルシティは、
普段でも物騒で、撮影には気を使う所。
こわごわ取材。
民兵も怖いが、米軍も怖い。

米軍ヘリのミサイル攻撃で亡くなった女性の葬式に出くわした。
自宅に撃ち込まれ死亡。
他に取材した数ヶ所もただの民家。
示威行動で民家にミサイルを撃ち込んだのか。
これでは反米に人々を駆り立てるようなものだ。

4月7日0時35分(バグダッド時間)
渡辺裕一

# by sakai555 | 2004-04-08 06:27 | 治安
2004年 04月 03日

これまでのコメントについて

現時点までのコメントは、メール上でやりとりしたものを転載したものです。
同一人物が送ったようになっていますが、これは差出人を明らかにしない方針のためです。
「Arabian Nights」のプロジェクトは、イラク戦争開戦前から人々の物語を伝えてきました。このページは、その2004年版として、みなさんがカンタン気軽に参加できるよう開設しました。ホームページにも、ぜひお立ち寄りください。

アラビアンないと2003ホームページ
Arabian Nights 2004ホームページ

(編集担当:坂井)

# by sakai555 | 2004-04-03 20:00
2004年 04月 03日

イラクからの短信<27人に向けて> 第14号

返信を頂いて返事できない方、申し訳ありません。
以下共通するところのある二つの返信への返事から。

「市場のことが書いてありましたが、
じゃあ、それを買うお金って、みんな持っているの?
貨幣の価値はちゃんとあるの?
物物交換?

それとも、救援物資とかで、生きているの?

下記の電気がきてるっていうなら、水道もあるの?
でも、自衛隊が水運ぶって言ってましたよネ?
そんな中、ホテルに住む渡辺さん達って、水ふんだんに使えちゃったりするのでしょ
うか?
建材を売っているってことは、普通に商売が成り立っているということですか?
タクシーの話しも出てきましたよネ。
タクシーなんて地元民は乗らないでしょ?

貧富の差はこんな状態でもあるのですか?
それとも、戦争のために逆転した部分があるとか?」


さらにもう一人、、、

「一般の人の日常の生活、何を食べて何を楽しみしているのか
物価ってどのくらい?復興支援って具体的に生活に結びついているの?
みたいなことが知りたい」


イラク人といっても、住む状況、民族、階層、様々です。
一様に言えないのが当然です。
バグダッド市民の不満をあげると、
治安、停電、上下水道のケア、道路事情。
物価は高くなっているようですが、上記はだれもが言うことです。

餓死者とかは聞いていませんが、
国内難民や貧困層は非常に困難な状況のようです。
旧軍人の年金・給料が平均20ドル位とも聞いています。
(確かでないので、平均月収など知りたい方は調べてみてください)

一方で、輸出入で儲ける人、新しい利権で儲ける人、
暫定政権下で職を失わず給料が増えた人、等々は景気が良いようです。
市場では電化製品がよく売れていると聞きました。

アフガンのような最貧国とは違って、
イラクは世界二位ともいう石油埋蔵量。
一時は石油収入で、医療や教育が無料だったほど。
そのイラクが景気よい頃に、日本企業がバシバシ商売させてもらってたのです。
今の私たちのガイドが大学生の時には「給料」がでたと言ってました。
文盲率も低い。民度が高いのです。
だから、国を営む人材もいるし、自前の政府を一刻も早く望む人が多い。
占領に反対する人が多いのはこんな背景があると思います。

復興支援は、何よりも選挙と新政府ではないですか。
あとは単なる物資支援でなく、
治安回復、それから雇用創出が望まれていると思います。
これは重要な点だと思いますが、
石油があるから、自分たちは自力でやっていけるはず、と話すイラク人がいました。

専門家やらも含めた一定の信頼できる見方があると思います。
米国は今選挙をやればイスラム国家(しかも反米的)ができてしまうため、
どうしてもやりたくない、です。
それじゃ、何のために戦争したのか、わからなくなるわけですから。
(参考:酒井啓子『イラク 戦争と占領』岩波新書、この本は基本的なことがまとまっていて、一読お勧めします)

カンボジアや東チモールと比べ、いったい、このイラクの選挙はどれだけ困難なのか?

4月3日1時50分(バグダッド時間)
渡辺裕一

# by sakai555 | 2004-04-03 07:40 | 生活